家の中を 一通り見たみんなは その豪華さに 驚きと感動を隠せない。
リビングでお茶を飲みながら、ゆっくり話す。
「智くん、ありがとう。こんなにしてもらって。麻有子は、本当に幸せだよ。」
父が、しんみりと言う。
「いいえ。麻有ちゃんのおかげです。家の事、すごく頑張ってくれますから。」
智くんは言ってくれる。
「うん。確かに綺麗にしているわ。美奈ちゃんじゃ、こうはいかないでしょう。」と母が笑う。
「私の事は、置いておいて。でも、お姉ちゃん さすがだよね。絵里ちゃんも あの名門に合格させた訳だし。」
妹も褒めてくれる。
「ありがとう。でも、私一人の力じゃないから。みんなの協力と、絵里加の頑張りがあったからね。」
私は、本心を言う。
「麻有ちゃんは、いつも謙虚だから。俺の両親も 兄貴達も いつも感心しています。」
智くんに褒められて、私は微笑む。
「それに 俺、会社を辞めたんです。年明けから 廣澤工業を手伝う事になって。これから 麻有ちゃんに 苦労をかけてしまいます。」
智くんは 父と母にも きちんと報告してくれる。
「それは、良かったよ。お父さんも安心しただろう。」
父は、自分の事のように ほっとした顔をした。
「お姉ちゃん、苦労どころか 本当のセレブじゃない。経営者一族の妻ってことでしょう。」
妹は、驚きと憧れを込めて言う。
「お父様もお兄様も、喜んでくれたから。私も、良かったと思っているの。」
私は、笑顔で智くんを見る。
智くんも 優しく頷いてくれる。