インターフォンが鳴ったのは 20分後。

私達は、玄関で出迎える。
 

「パパ。お帰りなさい。」

子供達は 智くんの足にしがみ付く。
 
「お帰りなさい、お疲れ様。」

私を抱きしめた智くんは 晴れやかな表情だった。

3人にキスをして 部屋に入ると 智くんは テーブルの上を見て 微笑む。
 

「特別メニューだね。ありがとう。」

私の思いを ちゃんと受け止めてくれる。

洗面室から戻った智くんに、
 

「パパのお着替え、絵里加が手伝う。」
 
「壮君は、ハンガー用意する。」

と子供達は言いながら 3人で階段を上がって行く。
 

「うーん。美味しいね、ママのから揚げ。この間は、売れ行きがよくて 少ししか食べてないんだ。」

智くんは 笑顔で言う。
 
「ハンバーグ、絵里加が丸めたの。」
 
「壮君も、混ぜ混ぜしたよ。」

賑やかな食事の時間。笑い声に包まれて。
 


今までと同じように、智くんは 二人を寝かせてくれる。