「あの、アダムとイブっているじゃないですか。イブを作る時、神様は アダムの骨の一部から形成したって言われているんです。それで 私も 智くんの心の一部から 作られたのかなって思って。」

私は 照れながら話してしまう。

この家族には 聞いてほしいと思ってしまう。
 

「素敵。そんな風に考えて 一緒にいられる夫婦って 最高だわ。」お姉様は言う。
 
「確かにそう言われると、納得できるわ。智之と麻有ちゃんは。」お母様も言う。
 

「まあね。自分達と神話を重ねるあたりが 麻有ちゃんらしいけどね。」お兄様が笑う。
 
「それくらい、神掛かり的に結ばれたって事だろう。ね、麻有ちゃん。」

お父様は、頷いてくれる。幸せが溢れてくる。




智くんを見ると、優しく微笑んでくれる。


心が合体した実感。触れ合っていないのに。