それからというもの私が歌っていると

ままは決まって

『その曲やめて。』

そう言うようになった。

あんなに笑顔が可愛くて優しかった

自慢のまま。

そんなままの笑顔がどんどんなくなるのを

見ていた私は

「歌っちゃいけない」
「私が歌うから元気なくなっちゃったんだ」

そう思うようになった。

毎日賑やかだったあの頃が今では嘘みたいだ。

ままと話している時、何回かぱぱの話題を出したことがある。

しかしその話をはじめるとままは一瞬

悲しそうな顔になる。

そしてこう言う。

『ごめんね』

私はそれが何よりも辛かった。

何があったのか分からないけどままにそんな

寂しい思いはさせたくない。

そう思った。

それからはぱぱのことを話すのをやめた。

そして月日が流れるうちに私はぱぱの顔も

はっきり思い出せなくなっていた。