ロウは真意をくみ取ってくれたのかな? それ以上余計なことは言わずに相槌を打った。

「そうか……その件は現実的になったら考えるとして、協力はするよ」

「本当? 良かった」

これで王宮を出た後の行先についてはなんとかなりそう。

後はロウから情報を貰って、アリーセに浪費の罪を被せようとする人物を特定し、断罪されないように持っていけばいい。

町で偶然ロウと出くわしていて本当に良かった。

「予定とは違うけど話がまとまって良かった」

ロウもおおむね満足していそう。

「あ、ランセル王太子には私と組んだこと知られないようにしてね」

ばれたらロウまで目を付けられそうだもの。

「分かってる。それから今後の情報交換には、このふたりを通そうと思う」

ロウは背後に控えていたガーランドさんと、女性に視線を移した。

ふたりの役割を教えて貰う。

ガーランドさんはロウが王都を出ている時など代理で情報を受け取ったり、逆に送ったりするそうだ。

女性はバルテル辺境伯家と繋がりのあるフランツ子爵家の夫人とのこと。年齢は三十歳前後に見える。

「彼女にはリセについて貰う。王妃の相談役などもっともらしい役目を考えてくれ」

何らかの名目で王宮に出入りすると言うことね。

「分かった」

了承すると、フランツ子爵夫人が初めて私に話しかけた。

「王妃様、お目にかかれて光栄でございます。精一杯お仕えさせて頂きますので、よろしくお願い致します」

「こちらこそ。よろしくお願いします」