扉が閉まりレオナとふたりきりになると、私はソファーの背もたれに身体を預けた。

静かになった部屋でレオナがお茶を淹れてくれた。温かいお茶を口にすると気分が穏やかになる気がする。


上流階級のお茶会になんて参加したことのない私が、いきなり主催するなんて本当は無茶なんだよね……。

でも仕方がない。王妃としての存在を主張するには社交の場に出て行くしかないのだから。

この十日様子を見たけれど招待状が来る気配はない。
間違いなく避けられている。
となれば自ら開くしかないでしょう?

貴族の女性達の多くは招待すれば応じるはず。内心はどうあれ、王妃からの招待を断るのは難しいから。

そこで私が、決して放置される立場を甘受しているのではないと意思表示する計画。

なるべく早く日程を決めて、それまでに準備を整えなくちゃ。

効果を高める為、完璧なお茶会にしたい。

上手くいいくようにアドバイスをしてくれる人がいればいいのだけれど。

でもアリーセには最後まで友達が出来なかったんだよね…頼めそうな人が思いつかない。
ひとりでやるしか無さそうだ。

そう言えば、ロウはどうしているのかな。

あれでも有力貴族だから、私が王妃になったと知っているはずだけど。

久しぶりに彼と話したくなった。考えてみれば私が素で話せるのって彼だけだもの。

「ねえレオナ。私への面会の申し出があった場合どう取り次がれるの?」

ふと気になって、聞いてみた。