迷わずに到着した。ほっとしながら門をくぐる。出入りは自由なようで問題なく町に入ることが出来た。

カレンベルク王国の中心地だけあって大きな町だ。

行きかう人々は性別も年も身分も様々だった。皆、自由で生き生きしている。

門の近くには高級そうな雰囲気の店が並んでいた。店構えも大きく、店の入口にディスプレイされている商品は貴族が着るようなドレスや装飾品でいかにも高価そうだ。

貴族街に近い場所にあるし、セレブ御用達のお店なのかもしれない。

私はその一画を素通りし、町の中心地に向かった。

市場のようで格段に人が多くガヤガヤとしている。

屋台が並び、様々なものが売られている。こちらは庶民でも買えそう。

珍しいものもあり見ていて飽きない。

市場を彷徨っていると、どこからともなく良い匂いが漂って来た。

それに刺激されたのか、ぐうとお腹がなってしまった。

匂いを辿って進むと、エビや貝などの海産物が山盛りに置いてある店をみつけた。

よく見ると売っている海産物は店で調理してくれるようで、奥に食べる為の場所がある。

美味しそう……凄く食べてみたい。でも躊躇う。

元の世界だったら躊躇わずに入っていたけれど、この世界では外食した経験がないからな。

細かなルールが違うかもしれないので、もうちょっと観察してから入った方がいいよね。

お金は持って来たけど、まだ物の相場を理解していないし。