今の私の行動は、以前のアリーセと大分違うんだろうな。
侍女はまだしも、公爵とかエルマの前では気をつけないと。
部屋を出て車寄せに向かい、ベルヴァルト公爵家の面々と合流した。
私がアリーセとなってからは初めて会う。
人物像などは分かっているけど、彼らの容姿は想像と少し違っていた。
アリーセの父ベルヴァルト公爵は、まだ三十代のはずだけど一見おじさんっぽい。
現代日本で言うと四十代後半ってところ?
茶髪に半分くらい白髪が混じっているからそう見えるのだろうか。
エルマとユリアーネはまさに親子といった容姿だった。
ふたりとも濡れたような艶を放つ漆黒の髪に琥珀の瞳。アリーセとは系統の違う美人だ。
ただ今はとても不機嫌そうに顔をしかめているので、非常に感じが悪い。
私の支度が遅かったから怒っているのかな? 時間には遅れていないはずだけど。
アリーセはこのような家族からの冷たい態度に心を痛めていたけれど、中身が私になった今、冷徹な視線もたいして響かない。
気付かないふりをしてにこやかに会釈をする。
特に会話はないまま、馬車に乗り王宮に向かった。
王家主催の夜会は大勢の人たちで溢れていた。
国中の貴族が集まっているだけある。
ベルヴァルト公爵は王族を除けば最も位が高いから、皆が気を使っていて、チャンスがあれば話しかけたいような空気を醸し出している人が沢山。
侍女はまだしも、公爵とかエルマの前では気をつけないと。
部屋を出て車寄せに向かい、ベルヴァルト公爵家の面々と合流した。
私がアリーセとなってからは初めて会う。
人物像などは分かっているけど、彼らの容姿は想像と少し違っていた。
アリーセの父ベルヴァルト公爵は、まだ三十代のはずだけど一見おじさんっぽい。
現代日本で言うと四十代後半ってところ?
茶髪に半分くらい白髪が混じっているからそう見えるのだろうか。
エルマとユリアーネはまさに親子といった容姿だった。
ふたりとも濡れたような艶を放つ漆黒の髪に琥珀の瞳。アリーセとは系統の違う美人だ。
ただ今はとても不機嫌そうに顔をしかめているので、非常に感じが悪い。
私の支度が遅かったから怒っているのかな? 時間には遅れていないはずだけど。
アリーセはこのような家族からの冷たい態度に心を痛めていたけれど、中身が私になった今、冷徹な視線もたいして響かない。
気付かないふりをしてにこやかに会釈をする。
特に会話はないまま、馬車に乗り王宮に向かった。
王家主催の夜会は大勢の人たちで溢れていた。
国中の貴族が集まっているだけある。
ベルヴァルト公爵は王族を除けば最も位が高いから、皆が気を使っていて、チャンスがあれば話しかけたいような空気を醸し出している人が沢山。