ロウはその二日後にカレンベルク王宮にやって来た。
ランセル殿下に会い、少し長めの話し合いをした後、私を訪ねてくれた。
フランツ夫人を伴いいつもの応接間に行くと、今日もガーランドさんがお供についていた。
「久しぶり」
それ程長い間会っていない訳じゃないのに、凄く懐かしく感じた。
ロウの笑顔も態度も変わりはない。少し日焼けをしたようだった。
「思ったより早かったね。バルテルからこちらに戻って来ていたの?」
「戻っている所だったんだ。ガーランドからの知らせを受け取って急いで来た」
「そうなんだ。丁度良かったんだね」
「ああ、ありがとうな。ランセル王太子と話をつけてくれて」
お世辞ではなく本当に嬉しそう。ランセルとの話し合いは良い結果になったのかな。
ランセルは渋々といった様子だったし頑固なので心配だったけど。
「それで、どうなったの?」
「ランセル王太子はバルテルの件に殆ど関与していなかったみたいで、現状を話したらかなり驚いていた」
「そう言えば、私がバルテルの件を話したときも国王陛下が対応しているって言ってた」
ただ私には何も知らないなんて言わなかったけどね。