夜会だってすっぽかしたいくらい。
行ってもアリーセは嫌な思いをするだけだと本で読んで知っている。
そんな所に公爵たちの顔を立てる為にわざわざ行くのは馬鹿らしいし面倒だ。
なんとか回避出来ないものかな。
だけどアリーセになったばかりの私にはこの世界の知識が足りず、夜会の欠席の仕方すら分からなかった。
そもそも離れから出るのは禁止で、公爵たちに会うとしても叶わないのだ。
対策を取る間もなく、あっという間に夜会の当日が訪れた。
朝からの雨で窓の外の風景は灰色にくすんでいた。
久々の雨はなかなか止まず、部屋の中まで湿気ている。
憂鬱な気分で薄暗い空を眺めていると、侍女がやって来て告げた。
「アリーセ様、そろそろ支度の時間です」
私は渋々立ち上がり、姿見の前でエルマから与えられたドレスに着替えを始めた。
白のドレスは、四角い形に開いた襟にすっきりした袖。Aラインの無地のスカートとかなりシンプルなデザインだ。
着替えを手伝ってくれている侍女の顔がつまらなそう。だけど私はおや?と意外な気持ちになっていた。
なんだかウエディングドレスみたいだ。
清楚でシンプルで私好み。結婚する予定どころか恋人すらいなかった私だけどウエディングドレスに憧れは持っていた。
思いがけず好みのドレスを着られて憂鬱だった気持ちが浮上して来る。
カレンベルク王国では人気があるデザインではないのかもしれないけど、関係ない。
行ってもアリーセは嫌な思いをするだけだと本で読んで知っている。
そんな所に公爵たちの顔を立てる為にわざわざ行くのは馬鹿らしいし面倒だ。
なんとか回避出来ないものかな。
だけどアリーセになったばかりの私にはこの世界の知識が足りず、夜会の欠席の仕方すら分からなかった。
そもそも離れから出るのは禁止で、公爵たちに会うとしても叶わないのだ。
対策を取る間もなく、あっという間に夜会の当日が訪れた。
朝からの雨で窓の外の風景は灰色にくすんでいた。
久々の雨はなかなか止まず、部屋の中まで湿気ている。
憂鬱な気分で薄暗い空を眺めていると、侍女がやって来て告げた。
「アリーセ様、そろそろ支度の時間です」
私は渋々立ち上がり、姿見の前でエルマから与えられたドレスに着替えを始めた。
白のドレスは、四角い形に開いた襟にすっきりした袖。Aラインの無地のスカートとかなりシンプルなデザインだ。
着替えを手伝ってくれている侍女の顔がつまらなそう。だけど私はおや?と意外な気持ちになっていた。
なんだかウエディングドレスみたいだ。
清楚でシンプルで私好み。結婚する予定どころか恋人すらいなかった私だけどウエディングドレスに憧れは持っていた。
思いがけず好みのドレスを着られて憂鬱だった気持ちが浮上して来る。
カレンベルク王国では人気があるデザインではないのかもしれないけど、関係ない。