お店を出て、数十メートル歩いたところで、急に立ち止まったかと思ったら、スマホをいじり、それを耳に当てた。 「俺だけど。ん?ああ、ごめん。玉井さんの友達にお金払っといて貰える?うん、あとで返すから」 ピッと電話を切ると、葛城くんは 「健永に頼んどいたから安心して」 と飄々とした感じで答えた。