仕事が終わり、お互いの会社が入っているビルの前で生ぬるい夜風を感じながら待っていると、葛城くんが急いで駆け寄ってきた。 「ごめん、遅くなったね」 走って来た葛城くんは、朝よりも少し髪型が乱れていた。 そんなに急がなくてもいいのに。 「ううん。私もいま終わったとこ。お仕事お疲れ様」