「俺、本当はずっと茉莉乃のこと好きだったんだ」 信号がちょうど赤になり、止まった車内で見つめられるまっすぐで曇りのない瞳。 これは嘘じゃないんだ、そう悟った。 「あの、さ……」 「こんなこと言ってもなかなか信じて貰えないだろうけど。俺はずっと茉莉乃のことだけが好きだった」 前を行き交う車をぼんやりと眺めながら、一磨はぽつりぽつりと言葉を紡いでいく。