「え?なんも」



葛城くんは触った口元に付いていたジャムをペロリと舐めた。



「昨日はあんなに可愛かったのにな?」


「なっ……」



意地悪な笑顔を浮かべ、先に朝食を食べ終えた葛城くんは私の髪をワシャワシャと触ると、台所に行き、使ったお皿を片付けた。


私がそんな葛城くんをジッと見ていると、ポコンと軽快な音を立ててテーブルの上にあったスマホが鳴った。