「お姉ちゃん、これ行かない?」



休日。


前々から行きたかったところがあると言われて誘われてきたランチで、雪乃はパンフレットを私に向けて見せた。



「これは?」



箱根 絶景露天風呂と書かれたパンフレット。


温泉か。


久々にいいかもな。



「葛城さんと行ってきなよ」


「え、葛城くんと?」



雪乃はコクンと頷いて、



「この際にもっと距離縮めなきゃ!」



私の手を取り、そう言った。