「だからさ、今日も実は午前中お墓参り行ってきて」


「……そうだったんだ」



私を誘ってくれても良かったのに。



「これまで自分の誕生日って憂鬱でしかなかったけど、こんな風に祝ってもらえるならちょっとはいいかな」


「そうだよ。祝って貰えた方が、天国のお母さんも喜んでくれてると思うよ」


「だといいけど」



葛城くんはスッキリした顔で緑茶をすすった。