「実はさ、俺の親今日命日で」 温かい緑茶を淹れ、バスクチーズケーキと一緒に楽しんでいると、葛城くんが何の前触れもなく、そう話し出した。 「え?」 「俺の家、母親いないんだ。俺を産んですぐ容体悪化して、そのまま」 だからか。 前に誕生日を聞いた時に少し悲しそうな表情になったのは。