「でも、突然向こうが高校の時付き合ってた奴と再会した、って言ってさ。ああ、俺のことは別にそんなんじゃなかったんだ、ってガッカリした反面、ちょっとホッとした自分がいて」



そう言う葛城くんの表情は穏やかだった。



「で、双方の親もまあ納得してくれて。で、そんな時に俺は玉井さんに再会するんだけど」



そして、葛城くんは私の方を見て微笑むと、自分の上着のポケットから小さな箱を取り出した。