葛城くんはそのまま私をギュッと力強く抱きしめた。 そして、ひとしきりそのままでいると、葛城くんはポツリポツリと語り始めた。 「俺と柚果はさ、お見合いだったんだよ。親同士が勝手に決めた。まあ、実際会ってみて悪い子ではなかったし、このまま結婚すんのかな、って思ってた」 私はところどころ相槌を打ちながらその話を聞く。