「んー、頭が働かない……」 何だか、視界がボヤけるようなそんな感じ。 「玉井さん?もしかして風邪ですか?」 なかなか仕事が進まない私を見かねたのか、後輩の原くんが近寄ってきた。 「風邪?いや、そんなことは……」 原くんは私の額に手を載せた。 「少し熱いですよ?もう今日は帰った方が」 「んー、でも」 「あとは俺がやっておきますから、今日のところは帰って下さい」 原くんがピシャリと言ってくれたお陰で帰る決心がついた。