それはお酒をお互いに飲めるようになってから学んだこと。


私はトイレに行くフリをして、トロンとした目つきになっている一磨を横目に電話を掛けた。


出るかな、……健永。


電話は3コール目で繋がった。



「茉莉乃?どうした、急に」


「ちょっと、健永助けて!」


「え、助けるって何を」


「とりあえず、今からK駅に来れない?」



私は家の最寄り駅を指定した。