両親と話しているうちに、わかったことがあった。







私の左眼は……「嘘を見抜く目」と化していた。





相手が嘘を言えば、腹の底で思っている本音が左眼に文字となって私にだけわかるよう現れていたのだ。

すべて心の中が読めるわけではない。

だけど嘘をついた時だけ、左眼が相手の本音を教えてくれた。


“今の言葉は嘘だよ”と言わんばかりに。


嫌になるほど、毎日に嘘は潜んでいた。

どうしてこんなことがわかるようになったのかわからない。

頭を打っておかしくなってしまったのかもしれない。

でも、眼帯をつけていれば、“文字”は見えなかった。

裸眼で相手を見て話をすれば、嘘が出た時に左眼に文字が走る。

小学生だった私には、こんなありえない現実を受け止めるには時間がかかった。