幸一の両親と深雪の両親それぞれが羨望のまなざしを一心にその生まれたばかりの赤ちゃんを見つめていた。



(幸一の母雅子) 「この可愛い赤ちゃんの名前は、決まったの?幸一さん?」



(幸一)
「ええっ!たった今深雪と二人で決めました。一理(いちり)って名付けました。」


(幸一の父幸造) 「一理か…んんっ女の子にはかわいそうなんじゃないのか?」



(幸一)
「僕らのたった一人の子供なんですから、二人の想いがこの名前に詰まっているんですよ!なぁ深雪?」



(深雪)
「男の子だろうと女の子だろうと、決めていたから、お父様すみません!男の子をきっと望んでらしたでしょうけど…」



(幸造)
「そんなことは無いから!これからの時代を担ってくれれば、良いのだから~私はーいちりに期待してるぞ!」


そう言って思わず頬づりをした。


回りの誰しもが同じ気持ちで頷いていた。