結城は、話せる程度のことはすべてリョウには話した。



ただ、いちりが、何時どこの国へ行ったのかは分からなかった。



「あいつは、俺たちが余計な心配しない為だとは思うんですが、詳しいことまでは教えてくれなかったんですよ。ただはっきり分かったことは、あいつが凄い家柄のお嬢様だったってことぐらいですかね!何であんなコンサートスタッフの仕事なんかを選んだんだか…ああっ、でも、あいつ、電気工事技師の資格持ってて、LED照明がどうのこうの、とか言ってましたねーホント変わった奴ですよ!」



「……(そう言えば、以前リュックの中に冊子を入れていたのを見掛けた。)確かに勉強していた様子が…でも元気になったことを聞けただけでも、良かったです。忙しいのに、つまらないこと聞いてすみませんでした、仕事続けてください。じゃあこれで、失礼します。」



「リョウさんも、元気でいらしてください。俺たち待ってますから!また会えますよね?じゃあ…」



何かリョウの苦悩してる様子が結城にも伝わってくるのであった。