何で…僕たち、巡り逢ったんだろうね?



君が、初めて僕のコンサートに来た時のこと…今でも覚えているよ!



僕のことなんて、全然見て無くて、何て娘だろうって…



身なりは、ちゃんとしてて、何処から見てもお嬢様で、可愛いくせに、気が強そうで、ステージに連れて来てからは、何故か素直に真直ぐに僕のこと見てくれてたよね…



それからも、何度もコンサートには来てくれてたよね!



いちりの手をそっと触れながら思い返していた。



自分では、ほんの一時のつもりでいた。


「トントン……」

病室のドアが空いた。



リョウが振り返ると…



渡辺が、立っていた。



「リョウさん!……こんな時間にどうしてリョウさんが…」



「ああっ、…どうしても、いちり、いちりさんが、心配で、遅いのは分かってたんだけど…君も…」



「ええっ、俺も仕事を片付けて、一度家に帰ってから、結城さんとも色々話ししてから、こっちで暫く一理を看ててやりたくて、俺っ!こいつが目が覚めるまで居てやるつもりですからぁ、リョウさんは、帰ってください!」



「…………」


「もうっ、リョウさんは、原因判ってるとかですか?何で一理がこんな目に遭うんですか?とにかく…出てってください!!」