大石は、何か話しづらそうに、言葉少なげにリョウの話しを黙って聞くだけであった。



とにかく由衣のしたことをひたすら謝っていた。



「今後の大石さんとの仕事の繋がりを終わらせたりはしませんが…由衣さんとの結婚は、やはり……もっと早くきちんとさせておかなかった僕が悪かったと思っています…」



「一つだけ…聞いてみたいことがあるんだが…由衣はどうして、あの女性の存在をそこまで思ってしまったのか…」



由衣が堪え切れずに2人の会話に入って来た。



「私…ずっとリョウの心の中に誰かが居るって思ってたの。それが誰なのか分からなかった。でも、ある時…この娘じゃないのかな?って……やっぱりって……」



「それが、あの女性だったって訳か?だからって、あんなこと…お前はっ、はぁーー…」


大石は、頭を抱え込んだまま言葉にならなかった。