2人は、ただ無言で病院の救急用の玄関から外へ出た。


「もう…朝ですよ!(渡辺はリョウに向かって)リョウさんっ!今日のコンサートをとにかく無事終わらせましょう!貴方にとってもアメリカに発つ前の大事なコンサートでしょ!いちりも成功することを願ってるはずですよ!」



「ああっ、分かってるさ!勿論……」



「リョウさんっ?……まさか…いちりをあんな目にあわせた女ってのは、……」



「……今日のコンサートが終わったら、また病院に来るから、その時に……今日のコンサートまた宜しく頼む!」



それだけを渡辺に言うとリョウは立ち去って行った。