病院の前で、暫くリョウはたたずんでいた。


一理の容体が心配な反面、自分のせいでこんな事になったことの責任を感ぜずには居られなかった。


一つ大きく深呼吸をし、中に入って行った。



集中治療室の前で、看護士に中に入る許可をもらうために話しを聞いた。



「ああっ、松平さんね!えっ、お1人若い男性の方が付き添っておられますけど…じゃあ、こちらにお呼びしてきますね?御待ちください!」



暫く待っているとその男性はやって来た。



(渡辺)
「…リョウさんっ……何でここに…(暫く黙り込む)一理の意識はまだ戻ってはいないんです!」



「僕が、中に入っても良いかな?…いやっ、側に居させてほしい…」



「何でリョウさんが、自分のコンサートで一理が怪我をしたからですか?…それとも」



「…とにかく一目様子を看させてほしい!」



渡辺は黙って椅子に腰掛けて、手で合図をし中に入るよう促した。