「母さん!ただいまー」



「はいっ!美優?夕飯は?どうしたの?」



「ああっ!源さんとこで、食べて来たぁ!ホント源さんの作ったもんは、美味しいから!」


「まったくぅ!父さんと同じこと言って……あれっ!どなた?美優ったら!お客様なの?えええっ!お友達?」



「うんっ!今日会ったばっかり…一理って言う名前…」



「ええっ!会ったばっかりって、美優ったら!誘拐でもしてきたんじゃないの?一理さん?この娘ったら!ごめんなさいね?友達なんて、今まで連れて来たためしがないくせに…あっ!それより、お家に連絡しないと、心配なさってらっしゃるわ!さぁ!」

といって、電話の受話器を取る。



「ちょっとちょっと、あなたね、今がどういう時代か分かってんの?ケータイっつうもんがございますからぁ!あーん!もぅこれだから…」



一理の手を引いてどんどんと二階へ上がって行く。