「由衣…明日の最終コンサートが終わったら、やっぱり2人でもう一度話し合おう!もうっ、自分に嘘を付き続けることは出来ない…それに僕は、君を知らぬ間に傷付けていた。自分の気持ちを隠すことで、もうっ既に君を裏切っていたんだ。僕がいけなかった。」



「リョウっっ!何を考えてるの?貴方は、これからも世界を走って行く人なの!こんな事で、つまらない感傷に浸っている暇は無いはずよ!もうっ、父には連絡してあるの…(少々俯き加減で)明日には、上手く片付けてくれるって…」



「……………」



リョウはただ黙って出て行こうとする。



「リョウっ!…アメリカへは、予定通り…」



「…………」



リョウは返答をする気にもなれず黙って出て行った。


今はひたすら一理に会いたかった。