…はぁ?
いや、これは流石に事案。
だって私言ったよね?
はっきり好きだって言ったよね??
何の目的で改めてまた聞いてくるの?
そんなにバカだったのこいつって…
「言ったじゃん」
「よく聞こえなかった」
春陽は目を合わせようとはしない
だから私も合わせない
「じゃあもういいよ」
私がどれだけの勇気であの言葉を言ったか
今まで女の子に告られてふらーっと付き合ってぬるく別れての繰り返ししてるあんたに
そんな勇気、わかんないか。
不意に乾いた笑いが出た。
「何笑ってんだ?」
今度は本当にわからないようで
頭の上にハテナが浮かんでる春陽
「春陽もあの子と付き合うんでしょ」
「俺の話、は「じゃあちゃんと伝えなよ」
私は意地悪かな
それとも意気地なしかな
本当はこんな事言いたくないし
一度振ったはずなのに気になっちゃってやっぱり付き合うとか、
そこまでこいつの頭を支配できてしまう
あの後輩とやらをマジマジと見てなんか一発言ってやりたいくらいだけど
まぁ、いい。
私は私
こいつはこいつだもん。
私が春陽を好きなのは事実で。
でも春陽もちゃんと好きな人が出来た
これもまた事実。
そんな簡単に変えられる事じゃない
すぐに変わる事でもない
だから
「意味わかんねぇ」
それはこっちのセリフだよ春陽くん。
急に連絡きたと思ったら
突然付き合おうかなぁとか宣言するし
わざわざ電話かけ直してくるし
そこまでして私に見せびらかしたいか
私ってこんなに意識されてないんだなー
もう笑いも出ないけど。
「私は春陽を応援する。
だってさ、春陽今までずっと自分から行動起こす事なんて無かったじゃん?
だから私すごいびっくりして。
まぁそれをわざわざメールしてくんのはマジで意味わかんなかったけど。
とりあえずその気持ちをそんな簡単に無碍にはできないししない。
大切にして欲しいから。私には、
その気持ちが分かるから」
春陽は呆然と立ち尽くした。
私はそのまま言葉を紡いだ
「お前、国語の点数俺より悪いだろ…」
「何言ってんの今関係ないじゃん」
ちゃんと笑えてるかな?
ちゃんといつも通り言い返せてる?
幼なじみだからって
ずっと私は友達だって
気持ちを抑えてたのに。
いつかの日彼女が初めて出来たって言われても
私はものすごく落ち込んだし泣いて泣いて泣き喚いて家のティッシュ一箱潰しちゃったけど
今の関係が壊れるくらいなら
このまま幼なじみでいようって思ってた。
その日からずっと、
何度彼女が入れ替わっても
春陽は彼女にどう接してるのかなとか
私との接し方とはやっぱ違うかなぁとか
色々想像してまた泣いて
そんな事を内では考えてても
表では
相変わらずバカやって
隣にいれればそれで良いじゃんって割り切ってた。
それは
私が春陽の幼なじみだから。
でももう
耐えられないよ