「舞音ちゃん、どこ行ってたの!聡ちゃん心配してたよ」



咲智は駆け寄って、舞音を抱き締めた。


咲智が少し怒り口調で言うと、舞音は目に涙を溜めた。



「ごめんなさぁい……。でも、きょうそうちゃのたんじょうびで……」



後ろ手にした舞音の小さな手にはタンポポやオオイヌノフグリなどのお花が詰んであった。


そうなんだ。


だから、舞音は聡介に内緒でお花を探そうと……?



「じゃ、さっちゃんも手伝うから、聡ちゃんに誕生日プレゼント用意しようか」


「えっ、いいの?」



すっかり涙も引いた舞音は両手を挙げ喜んだ。