「……与田さんはそんな人じゃないよ」 咲智はムッとして、奥山に少し反論するように呟いた。 「え?なに?」 「……ま、いいや。じゃ、バイト頑張って」 咲智の呟きは奥山には聞こえていなかったようだが、自分だけ聡介の良さが分かればいいーーそう思い、聡介が待っているベンチへと急いだ。