「このハンバーグだって、お前はレシピも見ずにやすやすと作ったけど、俺はレシピ見て作っても、かったいし、まっずいし、人間の食べ物じゃねえってもんができて」 「そんなことないですよ」 咲智は同じテーブルの上に出ていた、うさぎの形に切ってあるリンゴを手に取った。 「私だったら、こんな風にうさぎ作れませんよ?与田さんだって、ちゃんと出来てるじゃないですか」 「……お、おう」 褒められたことに照れたのか、聡介は顔を俯かせた。