私は夜が苦手だった。

いや、現在進行形でとても苦手だ。

夜になると、とても憂鬱になるから。


一人ぼっちで大きすぎるベットに横たわって

朝を待つ。帰りの遅い両親を待っていると怒られる

ので一人で先に床に就く。

こうして、コミュニケーション力を身につけること

が出来ずとうとう高校三年生になってしまった。

基本学校でも一人。もう一人は苦ではない。

慣れは怖いものだ……

みんな私を気味悪がる。それに加えて口下手だ。

だからクラスのみんなは私を空気として扱う。

たった一人を覗いては……

「ねぇねぇ皆崎さん!!!なんでいつも一人なの??」

……まじこいつ空気読めない。

「俺悪い人じゃないよ!?!?可愛いんだからだんまりし

ないで俺と仲良くしよーよー!!!」

誰がお前となんか喋るか!!!

……なんて言えるわけがないからいつも黙ってしま

う。そうすると彼は面白がってまたからかう。なぜな

ら私に話しかける彼の後ろの視線が痛いからだ。

「なにあいつなんで海斗と話してんの??

意味わかんないんだけど〜」

「それ分かるわ〜。てか海斗もなんであんな

空気女と話してるの??」

とまぁ、私は嫌われてる。別に気にしないけど。

その視線に気付いた彼は

「ほら!!!皆崎さん!!!みんな皆崎さん

と話したがってるよ!!!」

……こといつは頭がいいほうじゃないなきっと。

この会話を毎日繰り返しているとだんだん会話の

雰囲気が掴めてくる。だけど私は話せない。