「あの……成、宮?」


「…………」


後ろからついていく形で話しかけるも、反応してくれない。


スルーって……!!

スタスタと歩く成宮が、どこに向かってるのかは考えなくても分かる。


──────ガラッ

空き教室に着いた途端、ガチャンと締められる鍵。


いつも特訓する時は必ずしているそれが、今日はやけに……緊張、する。


「あの、成……」


「特訓、するぞ」


「えっ………?」



名前を呼ぼうとすれば、被せるようにそう言われて、


「………きゃあっ!!?」


気づけば視界が反転して、驚きで閉じていた目を開けると、視界は成宮の顔と天井のみ。


………ちょ、ちょ、ちょっと待って!?



どういう状況!!!?

わたし今、押し倒されてる!!?