「え、成宮っ!?」
「うーわっ、彼氏のご登場じゃん……」
「これ……まずいやつじゃね?」
周りの先輩たちが急に慌て始めた。
けど、わたしはそれどころじゃない。
な、なんでここにいるの!!?
「ったく、どこほっつき歩いてるかと思えば」
「別にほっつき歩いてたわけじゃないしっ!!」
その顔は不機嫌そうに歪んでいるけれど、繋がれたその手はとっても優しくて。
先輩たちに囲まれて内心、ビクビクしていたから、なんだか安心する……
「さっさと行くぞ」
「う、うん……っ」
そのまま手を引かれ、入口に向かおうとするけれど、
「ちょっとちょっと?
今良いところなんだけどな〜」
ヘラヘラと笑いながら、成宮に威圧的な目を向ける立ちはだかった主将さん。
また、この人……
いい加減、しつこいっ!!
明らかに怒ってる成宮に、周りの人もみんな、顔を青くしてるっていうのに。
「これ、相当怒ってるじゃん……」
「おいおい、やめとけって………」