そう言う割に顔、赤くなってるじゃん。


「ふふっ、照れてるんだ?」

「べ、別に照れてねーから!」


「まあまあ、素直になりなさいよ」


生意気な弟だけど、こういう恋愛話が苦手で、純粋なところは好きなんだよねぇ。

面白くて、ふいっと顔を背ける侑の肩をバシバシ叩いていると。


「侑〜、副キャプが呼んでる」


バスケ部の先輩らしき人が声をかけてきた。



「あの人は?」

「主将」


「へえ、そうなんだ」



なんか、モテそうな人だなぁ……


ってか見た限りだと、侑を筆頭に、人気がありそうな人ばかり。


これは女子が見に来るのも頷けるわ。


ま、これっぽっちも興味ないけど。


「はい、今行きます」


さっきまでの照れていた顔はどこやら。

キリッとした顔になる侑。


へえ、さすがに先輩の前だと、こうなるのか……


用も済んだことだし、わたしも空き教室行かなきゃ。

入口の方でウジウジしちゃったせいで、道草くっちゃったし。