何もかも、お見通しだったわけね……
普段めんどくさそうにしてるくせに、そういうところ、ほんっとずるい……
「俺は、お前のことが好き。
今もこれからも、それはずっと変わらないし、離れることなんか絶対にねえから」
まっすぐ見つめてくるその瞳は、冗談を言ってるんじゃないってすぐに分かって、
「ゆずきが離れようとしても、俺は離すつもりはないってこと。
……これ、覚えといて」
わたしの心の不安を全部ぬぐってくれる。
落ち込んでいた心がポカポカとあたたかくなって、ジワジワと熱を帯びていく。
「べ、別に!?
お、落ち込んでとかじゃないしっ!!?」
あーあ、またわたし、
可愛くない。
どうして成宮相手だと、こんなにも素直になれないの……
「そ?
俺の見間違い?」
「そ、そうに決まってるんじゃん!?」
「声、裏返ってるけど?」
頭をポンポンとなでられて、クスクス笑う成宮。
「っ………」
その表情に、胸の奥がぎゅっとなった。