「休み時間になる度に俺のところに来るから、いい加減しつこくて。それでここに隠れてたってわけ」
めんどくさそうに顔を歪めて、ため息をついた。
じゃあ、さっきの足音と、成宮を呼ぶ声はやっぱり春名ちゃん……
「そう、だったんだ……」
この感じからして、いつもの…他の女子に対する態度と同じ感じに見えるけど……
成宮が仲良くしてる女の子は見たこと、なかったから。
「それに…」
「それに?」
「ゆずきとの時間が全然足りない」
気づいたら、ふわっとあたたかいものに包まれて、
息を吸い込めば、シトラスの香りが一気に肺に流れ込んできて、抱きしめられてるんだとすぐに分かった。