その通り。機内で寝ていた者たちだけが、この場に取り残されていたのだ。
そんなこんなで彼らはどうにかとある空港へと着陸した。
助けも欲しかったし、燃料も補給したかったからだ。
だが……。
空港に降り立って、彼らは気付く。
…誰もいない……。
さらに、盲目の少女は気付く。
そこには匂いも、音も、風もないことに――!
とにかく彼らは港内へ。誰かいるかも、というわずかな希望を胸に。
しかし、やはり誰の姿も見当たらない。
やがて彼らの中の一人の男が異様にイライラしだす。
彼はこれから行くはずだった会議(たぶん)に遅れたら、ひどいことになるという脅迫観念に駆られ、1人狂ったように暴走しだすのだ。
そのため、幻を見、彼は凶器を手に―――。
一方、少女たちは新たな発見をしていた。
食堂で食べ物や飲み物を物色し、口にした、がしかし。
それらには全く味がないのだ。何故?
マッチを擦っても火がつかない…。
炭酸は気が抜けてしまっていた。
わけがわからない。彼らは途方にくれた。