しかし。


翔さんは、口角をさらに上げて笑う。


「嘘つけ。


目をうるうるさせといて、そんな嘘が通用するとでも思ってんの?


あんた、本当素直じゃねぇな」


うぅっ……。


素直になれないことは認めるけど、上目遣いなんて、本当にしてないよ……。


あおるつもりもなかったし……。


どうすれば誤解が解けるんだろう。


「す、素直じゃないかもしれないですけど、上目遣いしてないですし、キスしてほしいわけでもないですし。


本当ですよ。


だから、信じてくださいよ」