あれから私はリンさんを思い出さないようにがむしゃらにバイトと学校の日々を繰り返した。
休日……土曜
美紀「今日のバイトは……何も入れてない……買い物して勉強でもしよ」
今日の予定を決めたあと私はデパートに向かい日用品を大量に買って帰った。
……リンさんと会わない日が続いて1ヶ月……なんか過ぎるの早いな
いつも会っていたベンチを眺めて名前を呟いた
美紀「……リンさん」
リン「なに?」
美紀「え」
リン「久しぶり」
私は目の前にリンさんがいることを全く信じれなかった
リン「人を幽霊のように見るな穴が空く」
美紀「ごめんなさい」
リン「ベンチに座ろう」
リンさんは「座ろう」そう言うとベンチに歩き出した
美紀「……」
私は少しリンさんとの距離を取って座った
リン「遠くね?もっと近くに座れよ」
美紀「嫌です」
リン「?!こい」
美紀「いや」
リン「こい」
美紀「いや」
リン「俺が来いって言ってんだろ?」
美紀「全てあなたの思いどおりになると思わないでください」
リン「そうかよ」
リンさんはそれ以上何も話さなくなった。
なんか気まずいな……
美紀「あの、用がないのなら私帰ります」
リン「あんたの好きな相手千秋?」
美紀「え?」
リン「千秋が好きなのか?」
美紀「……」
リン「どうなんだよ」
美紀「どうして聞くんですか?婚約者が怒りますよ…」
リン「俺はそんな事を聞いてるんじゃない」
美紀「…リンさんには関係ありません!なんでそんなに聞くんですか‼︎私のことあんなに…あんなに…」
リン「くっ…黙れ‼︎」
美紀「あっ!」
リンさんに腕を引っ張られたと思った瞬間、反論する口はリンさんの唇で塞がっていた
美紀「んん?!」
リン「ん、?!」
私はリンさんの唇を噛んだ
リン「…」
美紀「…人の心をもてあそんでそんなに楽しいですか?」
リン「お前が俺の質問に答えなかったからだ」
美紀「そんなの関係ないって!」
リン「そうだ関係ねぇ、だがお前が気になる、」
美紀「?!」
リン「千秋と付き合っているのか?」
もし、違うと言ったら…いや、だめだそんな事したら結婚が台無しになる私のせいになるのは…一度で十分
美紀「付き合ってない…けど、好き」
リン「そうか…だよな、その為に練習してたもんな」
違う、最初はそうだった、けど練習をするたび貴方に
美紀「そうだよ…」
こんなこと言いたくないのに、
リン「練習の成果ができて良かったな」
美紀「そうだね」