ラオリー「それで……そちらの可愛いお嬢さんは?」
……え?私?
ラオリー「光さんの事は知っておりますが……そちらのお嬢さんは……」
リン「……」
美紀「……」
リンさんと目が合ったけれどすぐに違う方向を見た
美紀「私は「この子は俺の大切な子だよ!」……」
リン「ふーん、あんたが?」
リンさんは私に近づくと私の顎をクイッと上げ少しの間黙ったかと思うと、
美紀「……」
リン「……」
美紀「……」
リン「千秋にしては魅力ねぇ女だな」
何この言い方、
美紀「離して」
パシン!
リン「?!」
美紀「中国は女性の扱いが雑なんですね」
リン「いや、上手いよ?ただなんの魅力もないのにここにいるのは場違いだと思ったんだ」
なんでそんな言い方するの……
美紀「そうですか」
私はカバンを取り千秋兄さんに何も言わずに襖まで歩いた。怒りが我慢できずに光の声も無視して行った。
光「リンさん最低!待って美紀!」
ガラガラ、ピシャ!
私は玄関まで走って行きドアを思い切り開けてそのまま外に飛び出した。きっと私の心の中ではリンさんが私に話しかけてくれると、思い上がっていたのかもしれない。そんな自分がとても恥ずかしくて、無我夢中で家まで走った。
美紀「はぁ…はぁ…はぁ…、……」
気づいたら家ではなくいつもリンさんと会っていた場所だった。
美紀「…うう…あああああ〜」
この気持ちがなんなのか分からないまま私はしゃがんで泣きじゃくった。
美紀「……なんであんなところであったんだろ……まさかリンさんがあんな大物だなんて思いもしなかった、けど冷たかったな〜……リンさん」
美紀はいつの間にかリンの今までの事を思い出して目を閉じた。まるでリン解いた時は正夢ではないかと疑うように。
そして、美紀はいつの間にかリンが気になり始めていたのだった。
光「見つけた!美紀こんなところにいたの?はぁ〜疲れた〜」
美紀「光……」
光「うぇ?!ど、どうして泣いてるの?!え?私来たの嫌だった」
美紀「……泣いてない、光疲れてるだけよ」
光「いや、私の視力なめんな」
光「本当にどうかしたの?リンさんのあの態度が怖かったから?」
美紀「いいえ、ちょっとあきれただけよ」
光「リンさんの態度に?」
美紀「そう」
光「あんまり怒らないで?いつもはあんな性格じゃないんだよ?多分お兄ちゃんの友達だからちょっと強めになっただけだよ?」
美紀「バイト行くね」
光「バイト先まで送ろうか?」
美紀「ちょっと遠いいから、美紀はもう帰って」
光「でも」
美紀「私は大丈夫」
光「わかった、また明日」
美紀「また明日」