美紀「あ、あの!どこに行くんですか?その方向は学校じゃないんですけど」
リン「どうせ遅刻だろ?俺に付き合え」
美紀「は?」
リン「何食べたい?俺朝食べてないから白飯食いたいけど」
いつもの私なら冷たく言うはずなのにそれが出来なかった
美紀「それじゃあ和食に行きましょう」
リン「決まりな笑」
美紀「……」
リン「お前の絵また書かせてくれないか?」
美紀「私を描いてどうするんですか?」
リン「何にも、暇つぶしに」
何それ、それなら景色でも描けばいいのに
リン「俺の気に入ってる和食屋、ここが一番好き」
美紀「こんな所に和食屋なんてあったんですね」
リン「路地裏だからな、あまり知られてねぇけど、俺たちはここの飯を良く食うな」
【たち】リンさんのお友達かな?
リン〜
おじさん「いらっしゃい……おや、今日は女の子と一緒じゃないか笑彼女か?」
美紀「え、ち、違います」
リン「お前そんなはっきり言うと傷つくだろ」
美紀「ごめんなさい」
リン「まあ、いいけど」
リン「不要再茶了」
それ以上茶化すな
おじさん「何飲む?」
リン「いつもの」
おじさん「お嬢さんは?」
美紀「ウーロン茶で」
おじさん「少し待ってて」
美紀「はい」
おじさん「はい、どうぞ」
美紀「ありがとうございます」
美紀「……美味し、」
おじさん「ドイツさんの葉っぱを使ってるからね」
美紀「そうなんですね……」
リン「……お前そのまま動くな」
美紀「え……」
おじさん「これは珍しい、リンが誰かを描くなんて」
美紀「珍しいんですか?」
おじさん「あいつは景色やものしか描かなかったからね」
美紀「そうなんですね」
おじさん「そういえばお嬢さん制服ってことは学校なんじゃないのかい?」
美紀「はい、でも遅刻して歩いてたらリンさんにサボりを誘われてしまって」
おじさん「こら、リン勉強のために行ってるのに邪魔なんてしちゃだめだろ、」
リン「ちっ言うなよ」
美紀「……」
おじさん「リン、チャーハンできたぞ」
リン「謝謝」ありがとう
今なんて言ったんだろ
リン「……お前も食べたい?」
美紀「え、ちが?!んっ」
リン「描かせてくれた礼だ、」
美紀「美味しい……」
リン「この人の料理は全部上手い」
おじさん「褒めすぎだよ笑」
そんな他愛もない事をしてゆっくりと過ごしていた時だった
ブーブー
リン「電話なってる」
美紀「あ、」
リン「……」(千秋……)
リン「出ねぇのか?」
美紀「は〜ふー、もしも、「もしもしじゃない!!お前学校サボって一体何処にいるんだ!!このドアホ!」……」
リン「……」
おじさん「……」
美紀「ちょ色々あって」
千秋【もしかして、何かあったのか?⠀】
美紀「え、えっと……」
なんて言えば……
リン「かせ」
リンさんは私のスマホをとり耳に当てた
リン「こいつの事なら心配するな、てかこいつ高校生、兄離れすれば、ピッ」
美紀「……」
リン「お前の事、大事なんだな」
美紀「うん、私には勿体無いくらいのお兄ちゃんだもの」
リン「……もう行くぞ、お金ここ置いとくよ」
おじさん「はいよ、またおいで」
美紀 ペコ
おじさん「それじゃあね」