美紀「あの、良いところって?」
リン「ここ、」
美紀「え、…」
目の前には綺麗な絵がいくつも飾られていた。どれも、描かれている人は楽しそうだった。
美紀「綺麗…」
リン「ふっ笑」
リン「気に入ったか?」
美紀「はい、とても」
リン「他にもあるからもってきてやる、」
美紀「これ誰が描いたんですか?」
リン「俺」
美紀「リンさんが?すごいですね、」
リン「暇つぶし程度だけどな」
…それにしても…すごく心が暖かい…こんな気持ち久しぶり…
リン「…もう一つの部屋にもあったから取ってくる、待ってろ、ここから出るなよ」
美紀「はい」
……
リン「ほら、」
美紀「これ夕日ですか?」
リン「ああ、日本の川原で描いた夕日、気に入って描いたんだ」
美紀「夕日とても綺麗ですね、」
リン「ああ、」
美紀「そのもう一つはなんですか?」
リン「お前の画」
美紀「えっ…どうして」
リン「暇だから、描いてみた」
美紀「…」
リン「お前あったときも思ってたけど、感情表現下手だろ」
美紀「そうですね」
リン「お前描いてて思ったのが、なに考えてんのか分かんねぇとこだな」
美紀「…」
リン「まあ、俺はどうでも良いけど」
美紀「…あの、この画、私にくれますか?」
リン「良いけど」
美紀「ありがとうございます。」
リンさんは慣れた手つきで画を綺麗に包んでくれた。
リン「悪い…一人で帰れるか?、用事できて送れそうにねぇ」
美紀「一人で帰れるので、大丈夫です。」
私は絵を落とさないようにしっかりと持ち家まで歩いていると誰かに声をかけられた。
?「おい」
美紀「?!龍さん?」
龍「お前何やってんの?」
美紀「家に帰っているだけですけど?」
龍「その絵は?」
美紀「貰い物です」
龍「あっそ」
美紀「…何か」
龍「兄貴に近づくな、」
龍「兄貴は優しいからお前を構ってるだけで、本当はお前なんてどうでもいいんだよ」
美紀「つまり私は邪魔、だと?」
龍「そうだ」
美紀「どうして龍さんにそんな事言われないといけないんですか?」
龍「は?」
美紀「千秋兄さんの口から聞いてもないのにあなたからの言葉で、私はそれを了承する事は出来ません」
龍「お前何様だ!」
美紀「?!」
グイ!
龍さんは私の胸ぐらを掴み睨みつけた
美紀「うっ…」
龍「兄貴の前から消えろ」
ドクン!
消えろ…私はその言葉がこの世で一番嫌いだ。
?「消えろ」
美紀「…てよ」
龍「あ?」
美紀「また私の大切なものを奪わないでよ!」
龍「お前、兄貴は俺たちの家族だ」
美紀「それでも、はぁはぁ…私は」
頭が真っ白になり私は掴まれたまま気絶してしまった、
龍「?!おい!」
?「お前何やってんだ?!」
遠くから他の声が聞こえてきたが記憶はそこからなくなった。