?「薄汚い女早く出てけよ」
美紀「……」
私は何も言わずに家を出た。追い出されたのではなく早く学校に行かされた。
家族にとって私はメイドなのだ
そんな私もようやく高校生になった
美紀「この家を早く出ていきたいな……」
春になったばかりの風が ふき私はあの時のことを思い出した。
?「もう夜なのに家に帰らねぇのか?」
その時の私はまだ小さくて何も出来ない子供だった
美紀「お家にいるとお母さん怒るから、外でみんな寝るの待ってるの」
?「親に愛をもらってないのか……?」
美紀「愛?私それもらったことない……」
?「?!それなら俺がお前さんに愛を教えてやる。おいで」
それを聞いて私は愛と言うのに興味を持った。
美紀「おじいさんどうして私に話しかけてくれたの?」
おじいさん「え?」
美紀「だって私服ボロボロだしお風呂入ってないから臭いよ」
おじいさん「なんだお前そんな事気にしてたのか?笑ははは笑そんなこと気にしねぇよ笑笑」
美紀「そう」
葉月「俺はまだ20だおじいさんじゃなくて葉月てよべ!笑」
美紀「私美紀……」
葉月「そういう時はよろしく、だ」
美紀「よ、よろしく」
葉月「上出来!笑」
美紀「?!……」
葉月「?!お、おいなんで泣いてんだよ、どこか痛いところでもあるのか!」
いつの間にか私の目には涙がこぼれ落ちていたのだ
美紀「分からない……けど、すごく、温かい気持ち……ヒック……」
葉月「お前……よし!決めた!」
美紀「?!」
葉月「今からお前は俺のことをお父さんと呼べ!」
美紀「わ、私呼んでいいの?」
葉月「ああ笑」
美紀「お、おとぅ……さん」
葉月「はいよ笑」
美紀「お父さん……」
葉月「ハイハイ」
美紀「お父さん!」
私は葉月さんに思いっきり抱きしめた葉月さんも抱き締め返してくれた
それから私は暇さえあれば公園に行き葉月さん、お父さんに会いに行くようになった。
美紀「葉月さん」
葉月「お!今日は絵本持ってきた!笑読んでやるから膝に座れ笑」
美紀「うん」
けれど私はまだ笑うということが余りできなかった。感情がなんなのか知らなかったから……
葉月「……それと今日はもう1人いるぞ」
美紀「だれ?」
?「……」
初めて見て思ったのは私よりとてもキラキラ輝いて見えるということだった。
千秋「こんにちは!笑俺は千秋何歳?小学何年生?」
このように思いっきり質問攻めにされた
美紀「7歳……1年です」
千秋「名前は?」
美紀「美紀」
千秋「それじゃあ……今日からお前俺の妹な!笑」
美紀「え……」
葉月「ふ……笑」
千秋「親父いいだろ?」
葉月「ああ笑」
この2人親子なんだ
千秋「絵本色んなの持ってきた!何読みたい」
美紀「どっちでもいい」
葉月「美紀、俺との約束だその言葉は禁止」
私は「どっちでもいい」これが口ぐせのようなものになっていた。
美紀「それじゃあ……シンデレラ読んで」
葉月「いいぜ!笑千秋と交互に読むからな!」
美紀「どうして?」
葉月「その方が内容もわかりやすいと思って笑」
美紀「そう……」
話を聞いているうちに私は自然に笑っていた。
そして私は築いた2人は私を笑わせようとしてこんなことをしているのだと
千秋「シンデレラ!この服も洗うのよ!」
葉月「これもよ!全く遅いわねぇ〜」
千秋「ごめんなさい、お姉様……」
美紀「ふふ」
2人で読むってこう言う事だったんだ
けれど時間はすぐに過ぎてしまう……
葉月「今日はここまでだな!笑また明日来るからおいで」
美紀「うん」
千秋「今日楽しかったか?」
美紀「うん」
葉月「……よかった、それじゃあな」
美紀「……うん」
千秋「俺今高校1年!こんなやんちゃだけどいつかお前を迎えに行くから!」
美紀「?!」
千秋「だから、笑えよ……」
千秋さんはどこか寂しそうな顔をしていた……
美紀「私は……どんな時に笑えばいいのか分からないから……」
千秋「笑うってのは勝手に笑うんだ心のない笑いは本当の笑顔なんかじゃねぇよ、」
美紀「……」
千秋「それにお前今日すっげー楽しそうに笑ってた!笑」
美紀「え……」
葉月「確かにわらってたな 」
美紀「……心なんてもう、ないと思ってたのに……」
葉月「美紀、心はいつか勝手に戻るんだ」
美紀「勝手に?」
葉月「ああ、今のお前みたいに 」
美紀「……分からない」
葉月「今わからなくても、いつかわかるさ」
美紀「うん」
千秋「これやる!」
それは今日持ってきてくれた中のうちのシンデレラの絵本をくれた
美紀「いいの?」