「いーえ。俺が出てたらすぐ鍵閉めてね。覗きたい欲に勝てる自信ない」

「はっ……?」

人が下手に出たらすぐ調子に乗るんだから。

ツッコミどころ満載だしイライラするのももちろんだけど。

今はとりあえずお風呂。さっさと夏目くんから解放されたい。

そう思った矢先、脱衣所から出ていこうとした夏目くんが振り返った。

「あ、それとも、一緒に入りたい?」

「はぁぁん?!」

イラッ

「は、入るわけないでしょバカ!早く出てってよ!」

「え、ちょ、冗談……」

「バカ!」

バタンッ!

ガチャ!

「はぁ……」

無理やり夏目くんを追い出してすぐに鍵を閉めてから、息を整える。

夏目くんの家なのに出て行ってはさすがにまずかったかなと思いながら、

このイライラも一緒に流す勢いで、浴室に足を踏み入れた。