「私、妹にお土産買ってあげる約束したから、ちょっと向こう寄ってもいいかな」

ふれあいコーナーを十分楽しんで、

そろそろ集合場所に戻ろうかと話していたら、

秋津さんがふれあいコーナーの隣にあるショップを指差した。

「そうなんだ。じゃあみんなで……あっ、」

郁田さんがそう言いかけたけど、ショップ付近を見て口をつぐんだ。

夏休み初日。

ショップ付近はかなり混雑していた。

「できるだけ少人数で行った方がいいかもね」

と泉。

「うん。そうだね。えっと、私はお土産買う予定ないから……」

「そっか。俺、ねーちゃんにこっちのシュークリーム買ってこいって頼まれてるから、」

「じゃあ、俺と郁田さんはここで待ってるよ。ふたりゆっくり買い物してきな。向こうのグループにも連絡しておく」

俺がそういえば、泉は一瞬不服そうな顔をしたけれど、少し間を置いて納得したように口を開いた。

「……あぁ、じゃあ、頼んだ。秋津行くか」

「うんっ」

ふたりはそう言ってから、ショップへと向かって行った。