「うん、それがええわ!!な?」

「じゃあ私も行く!!一緒に行くよ!!」

「…は?お前はここにいろや。学校…楽しかったんやろ?友達待ってくれてたんやろ?快く向かいいれてくれたんちゃうん?」

「そうだけど…嫌だ…無理…私、日向がいないとまた登校拒否っちゃうかもしれないよ」

「子供みたいなこと言うなや。お前そんなんやったら生きてけへんし、ってか俺お前のもんちゃうねんけど?」

「でも…」

「そんなん絶対あかん」日向は私を真剣な眼差しで見つめた。

そして軽く荷物詰めし、布団の中へ入っていった。

「嫌だぁ…!!絶対嫌ぁ…!!」

涙がとまらなかった。誰かの為に泣いたのなんて、初めてだ。

だって、日向が初めてだったんだもん。心が開けた人なんて…。


翌日。


「ひ…日向?!」私は朝起きた瞬間に二段ベッドの上の段を見た。

だが…日向の姿はなかった。

「日向ッ!!どこ?!」ドアを開けようとしたその時、机に薄い水色の手紙が

置いてあった。私はその手紙を手に取った。

       “お前へ”

「は…?」一瞬意味がわからなかった。

「あ、そっかぁ…日向、私の名前知らなかったんだよね…?」

私はゆっくり封筒から手紙を出した。そこには、こう書いてあった。


“お前へ
ごめん、名前聞いてへんかったから、いつもみたいな呼び方になってるけど。俺は今日、ここから別の施設に移さしてもらうことになりました。色々お世話になったで(^^)これからも、ちゃんと学校行きや。じゃあばいばい。   日向祐樹”


「字…汚いしぃ…」

字がだんだんにじんでいく。ポロポロって、涙が落ちてって。

「私…こんな奴の為に何回泣いてんだよぉ…ッ!!」

自分にも言い聞かせるように叫んだ…なのに。


やっぱダメだ…私は弱い人間だ。

たった1人いなくなっただけで、色んなことがいっぱいできなくなる。

そういうのが一番日向が望んでないことだってわかってる。

…わかってるけど…わかってるけど、できない。

        ねぇ、日向。

      私、どうしたらいい?